2010年8月アーカイブ

今回は、保存液の重要性について。


もちろん、冷却だけで脂肪が定着するわけではありません。


脂肪細胞が吸引され、再び注入されるまでの間に冷蔵保存中の保存液の成分がポイントになってきます。


実際に何を使っているか?


試しにいろいろな美容外科に問い合わせれば、異口同音に「生理食塩水です」と答えるはずです。


生理食塩水というのは、涙の濃度と同じになるよう塩だけ入った単なる塩水です。


このような最低レベルの保存液では、細胞はどんどん死滅していきます。


池田ゆう子クリニックで使われる保存液は機密ですが、ヒントは腎臓を保存する成分と近いということです。


このようにして、細胞を生きた状態でバストに注入してこそ初めて脂肪移植が成し遂げられます。


今回は、脂肪の定着について調べたことを説明します。


定着のためには、移植外科の知識が要求されます。


単なる美容外科や形成外科の知識では、定着までこぎつけないのです。


WIT(ワーム・イミシュケック・タイム)、とCIT(コールド・イシュケミック・タイム)という2つのキーワードがあります。


WITとは常温における細胞の虚血時間であり、この時間が長いとほとんどの細胞は溶解して死んでしまうことになります。


死んだ脂肪細胞をどれだけ注入しても無駄です。


前回の2.のパターンです。


すべて吸収されます。


対してCITは低温における虚血時間です。


虚血組織でも低温に保つ限り細胞は損傷されずに生き残ることができます。


たとえば腎移植の場合、12時間くらいは大丈夫というわけです。


まず、このCITがクリアできなければ脂肪は定着しません。


脂肪注入は着かないというクリニックは、100パーセントこのCITなど考えていないでしょう。


池田ゆう子クリニックでは、CITのために、吸引部分の脂肪を冷却し、吸引の力ニューレから、吸引チューブ、吸引ビン、洗浄用機器類まですべて前夜から冷凍して準備しています。


また脂肪の洗浄中もすべて氷浴状態で処理します。


駄目押しに注入用の注射器と針まで冷凍しておきます。


ここまで手間をかけているクリニックはないのです。

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